2021年8月6日
1. 社会的インパクト投資とは
近年、「SDGs・ESG投資」などが注目を集めるように、社会的な影響力を成果とする「社会的インパクト投資」が世界の大きな潮流になり始めています。
GSG国内諮問委員会では、
「インパクト投資とは、財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動を指します。
従来、投資は「リスク」と「リターン」という2つの軸により価値判断が下されてきました。これに「インパクト」という第3の軸を取り入れた投資、かつ、事業や活動の成果として生じる社会的・環境的な変化や効果を把握し、社会的なリターンと財務的なリターンの双方を両立させることを意図した投資を、インパクト投資と呼びます。」
としています。
GSG国内諮問委員会「インパクト投資とは」
(参照2021-06-28)
社会的投資とインパクト投資の違いについて
OECDのSocial Impact Investment2019 The Impact Imperative for Sustainable Developmentによると、ファイナンスの目的別にみた資金は以下の6つに分類されています。
・伝統的なフィランソロピー
・ベンチャーフィランソロピー
・社会的投資
・インパクト投資
・サステナブル責任投資
・完全に営利目的の企業/投資家
Social Impact Investment 2019:The Impact Imperative for Sustainable Developmentの
大和総研による仮訳資料より引用
「社会的インパクト投資」の中に「社会的投資」と「インパクト投資」が分かれて定義されています。
「社会的投資」と「インパクト投資」の違いについては、以下の部分が違います。
社会的投資
目的
社会および(または)環境面におけるアウトカムと一定の金銭的リターンを生み出すことを意図する投資
期待するリターン
社会的リターンおよび市場平均を下回るリターン
インパクト投資
目的
社会および(または)環境面におけるアウトカムならびに金銭的リターンを生み出すことを意図する投資
期待するリターン
社会的リターンおよび市場リターン
このように社会的投資は市場平均を下回るリターンと定義されており、市場リターンの目標値は市場平均より低い設定となっています。この点がインパクト投資と少し違う所です。
わたしたちプラスソーシャルインベストメントでは、上記の社会的投資を日本の地域で推進するために、社会的投資プラットフォーム「en.try(エントライ)」 を開発しました。このプラットフォームを通じて資金を募り、社会課題に挑戦する人を地域で応援する仕組みを提供しています。