2021年8月20日
1.様々な想いをのせた熊本県フットボールセンター(仮称)建設がスタート
2022年8月開設に向けて着々と準備が進む「熊本県フットボールセンター(仮称)」(熊本県嘉島町)。同センターの運営会社となる(株)熊本フットボールセンター代表の松下涼太さんと、施設内に併設される保育施設の運営を担う社会福祉法人くすの実福祉会理事長の津留貴裕さんに、全国でも例の少ないスポーツ施設と保育施設の併設が生む効果や地域との関わりについて話を聞きました。
◆対談参加者
(株)熊本フットボールセンター 代表取締役
一般社団法人 熊本県サッカー協会 事務局長
松下涼太さん
社会福祉法人 くすの実福祉会 理事長
津留貴裕さん
―――「熊本県フットボールセンター(仮称)」建設の経緯と施設の目的を教えてください。
松下
熊本県サッカー協会では、田川前会長時代の2015年に、「熊本県を全国で有数のサッカー王国に育てる」という目標を掲げました。
それを達成するための核となるのが、今回の「熊本県フットボールセンター(仮称)」の建設です。
それを受けて建設委員会が立ち上がり、2016年の熊本地震による計画の一時中断を経て、前川現会長の尽力で昨年ようやく建設地の嘉島町と合意することができました。
そして2021年8月から官民連携事業として、いよいよ建設がスタートしています。
完成イメージ図
「熊本県フットボールセンター(仮称)」は、熊本県サッカーの育成・強化・普及の拠点としてだけでなく、熊本地震からの復旧・復興のシンボルとも位置づけています。
加えて、「サッカーその他のスポーツを通したまちづくり」コンセプトの下、地域の活性化や情報発信の拠点にしていきたいと考えています。
―――そうした施設に保育施設を併設する理由や目的は?
松下
センター建設のコンセプトに掲げている「スポーツを通じたまちづくり」という観点で考えた時に、単にサッカーグラウンドだけではまちづくりには繋がっていきません。
そこで、より多くの方が集う場所にするためにカフェやシェアオフィス、多目的スタジオなどを併設する計画を立てました。
保育施設もその中の一つで、これまでサッカー協会がキッズ年代の子どもたちの育成や普及に取り組んできた知見を、保育の分野にも生かせないかと考えての計画です。
また、スポーツ施設の場合、どうしても利用が平日は夜、それ以外は土日・祝日に集中し、平日の日中は閑散としていることが多いのが現状です。
そこに保育施設を併設することで、園児たちには広いグラウンドや広場を有効に活用してのびのびと成長してもらえるのではないかと考えました。
―――津留さんが理事長を務める「くすの実こども園」は、そうしたサッカー協会の趣旨に賛同して、施設運営に名乗りを上げられたわけですね。
津留
当会の創立者(祖父)が掲げた園のコンセプトは、「子どもは土の側でこそ育つ」というもので、昔からよくその言葉を耳にしていました。
また、私自身も幼いころサッカーをやってきて、スポーツによって養われるものの大切さを、身をもって体験していたというところもあります。
「熊本県フットボールセンター(仮称)」の環境は、まさしく自然と土がすぐ側にあり、さらにスポーツに触れる機会と場所も充実しており、子どもたちの可能性を無限に育める環境だなと感じました。
こうした環境は、望んでもなかなか得られるものではありませんので賛同させてもらいました。