2018年2月19日
フォーラムレポート
モデレーターをPSIの代表取締役会長 深尾昌峰が務め、政府内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局 地方創生統括官 唐澤剛氏と京都信用金庫 専務理事 榊田隆之氏に登壇頂きました。
はじめに、唐澤氏は地方創生にむけた政府と地域金融機関の取組について「日本には人口減少をはじめとする様々な課題が顕在している。地方創生の政策下で様々な施策が推し進められており、取組の加速には地域経済の発展に従来から寄与する地域金融機関の協力は不可欠である。地方創生の取組として新しい地域金融に活路を見出す地域金融機関も出現している。」
「例えば、地域金融機関と地域が協力して地方創生に特化した会社を設立した事例、地域の資源活用や課題解決のための基金を設立・運用する事例などである。こうした中でも、『新しい金融のカタチ』の実現を目指す京都信用金庫の取組は目を引くものがある。」という主旨の発言をされました。
榊田氏は、京都信用金庫の取組とこれからの地域金融の役割について「お客様への取組には『総合力を結集して行う営業』、『ビジネスマッチング』、『地域の起業家大賞』、お客様のお悩みや日々の暮らしの困りごとへの情報提供をする『くらしのマッチング』など、単なる金融サービスだけに留まらず、おもてなしの心を持って“お節介”をする。」ことを挙げられました。
加えて「金庫内での取組には、職員の業界研修として『目利きスタジアム』、職場の選りすぐりの好事例を表彰する『C・ノーベル賞』など、職員の士気を鼓舞したり、イノベーションの芽を育てる風土が根付いている。」ことを挙げられました。
また「我々、地域金融機関がリーダシップを取りながら、リスクをとって支援すること、皆が“寄ってたかって”地域のことを考えること、そしてそれらの人々を繋げる“場づくり”を行うこと。コミュニティバンクの役割はここにあると自負している。融資は金庫における社会的インパクト投資の原点、投資は“志金”を地域へ還元する大切な取組であり、社会的投資の役割も大きく、積極的にPSIなどと連携していきたい。」という主旨の発言をされました。
以上のセッションから深尾は「地方創生への取組は大事なこと。しかし、地域はその枠だけにとらわれず、もっと身近な『その地域でどう生きるか』『自分達の幸福な暮らしのため』といった住民としての責務を果たすことが重要である。住民の自治力を引き出し、自己決定力ある豊かな地域を形成すること、それが地域の持続性への高まりになる。社会的投資はこうした『地域で共に生きていく』を具現化する道具になり得る。」としました。