2020年2月からプラスソーシャルインベスメント株式会社(以下、PSI)インターンシップ生として活動しておりました、一瀬 優菜(いちせ ゆうな)です。2020年8月を区切りにインターンシップ期間を終えましたので、これまでの学びを振り返りたいと思います。
インターンシップを始めた理由
私はもともと教育格差や貧困問題などの社会問題に関心があり、大学生活の3年間は国際協力団体に所属し、カンボジアでの教育ボランティア活動を行っていました。
経営学部生として学びを深める中で、インドネシアでのアントレプレナー研修に参加し、ビジネスで社会問題の解決を図る「ソーシャルビジネス」に関心を持ちました。またゼミ活動で、様々なアクティビスト・カンパニー(政治的・社会的なスタンスを明確にする企業)を研究する中で、環境問題などの社会問題に対してコミットするビジネスのあり方を学びました。
私の課題意識が、より幅広い社会問題に変化したことから、ある1つの課題に特化して取り組むプレーヤーではなく、ソーシャルセクターを支える立場で社会的事業に関わろうと考えました。
そのような中で、昨年2019年12月頃に、立命館学園主催で実施されたビジネスコンテスト「総長ピッチ」に参加し、そこで審査員をされていたのがPSI代表・野池さんでした。
PSIは投資型クラウドファンディングを用いて、地域で行われる社会的事業への投資を促進しています。社会的な価値と経済的な価値の両立を目指した「社会的投資」を行っている会社です。PSIでの、ソーシャルに活動する事業者から得られる学びと、彼らの事業実現に向けたサポートができる仕事内容に魅力を感じ、インターンシップを申し込みました。
また、学校法人立命館は、昨年の2019年12月にソニーやベンチャーキャピタルのジャフコなどと連携し、社会起業家の支援事業として10億円規模のファンドを創設しました。立命館ソーシャルインパクトファンドは、日本国内初となる大学発のソーシャルファンドです。PSIの業務では、このファンド事業に関わることができました。
社会問題のために起業された先輩のお話を聞けるという素晴らしい機会は、この時期かつこの会社なのだろうと考え、今に至ります。
インターンシップを通じて学んだこと / 達成できたこと
PSIで関わらせていただいた業務は多岐に渡ります。私のインターンシップの目的は以下です。
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社会的事業を行うプレーヤーをサポートしたり、投資の決定を行う側として働くことで、社会性に対しての両者の意識や見方の違いを感じるため。
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社会事業家/起業家の多様なキャリアを知ることで、私自身の視野を広げ、自分の社会課題に対する向き合い方の参考にするため。
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ソーシャルセクター(社会的事業を行う人たち)を支える立場としての働き方や、どのようなことができるのかを経験するため。
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国内で行われる「社会的インパクト評価/マネジメント」の実践が、どのように取り組まれているのか知り、その方法を身につけるため。
私が関わらせていただいた業務は、SIB事業(東近江市・西条市)や、社会的投資(エントライ)事業、立命館ソーシャルインパクトファンド事業などです。またミーティング参加やイベント運営、インタビュー、資料作成などを行いました。他にも財務やコンプライアンス関連のミーティングにも参加させていただき、網羅的に仕事を経験させていただきました。
SIB事業
SIB事業では行政の方と関わる機会がありました。本気で事業に取り組もうとする市民と、それを応援する方々、そしてその両者を繋ぐ行政。本質的な地域活性は、このように「市全体で市民事業を応援する」ということなのではないかと感じました。
立命館ソーシャルインパクトファンド
立命館ソーシャルインパクトファンドでは、たくさんの素敵な事業に出会いました。その中で、どのようにその事業の社会性を表現するのか。「社会的インパクト評価/マネジメント」を先進的に実践されている方との意見交換会を行い、多くをインプットし、それらをすぐにアウトプットしながら、手探りではありましたが進めていくことが出来ました。そのように「社会性の表現方法」を学び、注力できたのは、素晴らしい経験だと感じています。
2月から開始したインターンシップ。その時期は、ちょうど国内での新型コロナウイルスの感染が確認され、オンラインでのイベント実施や、初めてのリモートワークなど、変化に変化が続くような日々でした。その中で、より重要だと感じられた「持続可能な社会」への手段。この時期に社会的投資という分野に関われたことは、大変貴重になったと思います。
今後に活かせること
このインターンシップで学んだ知識・経験を生かした次のアクションとして、社会的投資へ関心がある人や、ソーシャルキャリアを築こうとしている人に繋げたいと感じています。私自身がそうであったように、私ができた「学び」や「前進」を共有できたらと考えています。
また「社会インパクト」の評価基準などによる、社会性の可視化は大きな可能性があると感じます。新型コロナウイルスによって多くがオンライン化されてしまった学校などの教育機関。そして地域活性を担うローカル事業。それらの社会的インパクトとは何なのか考えてみるのも面白そうです。
インタ-ンシップの経験を残りの大学生活や社会人生活に、より良く活かしていきたいです。