2022年8月開設に向けて着々と建設が進む「熊本県フットボールセンター(仮称)」(熊本県嘉島町)。
今回は「熊本フットボールセンター応援ファンド」に出資いただいた熊本県出身の野仲賢勝さんに、出資しようと思った理由や同センターに期待することなどについてお聞きしました。
野仲 賢勝(のなか けんしょう)
1968年、熊本県生まれ。87年に熊本高校卒業後、筑波大学体育専門学群に進学し91年に卒業。同年、(株)電通入社。98年~同社サッカー事業局にて、JFA(日本サッカー協会)やJリーグ、なでしこリーグをはじめとした日本におけるサッカー団体のマーケティング(スポンサーシップや放送権)や大会運営などを担当[2002年FIFAワールドカップ日韓大会、05年~FIFAクラブワールドカップ等]。09年~12年、公益財団法人日本サッカー協会へ出向。17年~21年9月まで公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会へ出向[テストイベント担当部長および自転車ロード競技全体責任者]。2020シーズンより関東大学サッカー連盟常務理事。
――なぜ、「熊本フットボールセンター応援ファンド」に出資しようと思われたのでしょうか?
最も大きな理由は、自分の生まれ故郷である熊本に、自分が長年関わってきたサッカーに関する施設ができるということです。最初に構想を聞いたときから“ワクワクが止まらない”状態が続いていますし、何より私の実家からとても近いんです(笑)。
私自身も日本サッカー協会の仕事に携わったりする中で、全国各地にフットボールセンターを建設する構想は知っていました。ただ、建設資金や建設予定地の行政との調整など、クリアすべき課題が多く、実現までに多くの時間と手間暇がかかるなと思っていました。それが、熊本で実現するというのがうれしかったですし、今回の資金の集め方に日本のスポーツマーケティングの新たな一端を見た気がします。
こうした施設建設において単に寄付ではなく、リターンの可能性があるファンドを活用して資金調達を行うという形は、長年スポーツマーケティングに関わってきた私から見ても、「ありそうでなかった」形で、そこに面白さを感じました。今回の資金調達が上手くいけば、今後、このようなスポーツ施設建設の際にもこれを成功事例として全国で参考にすることができると思います。それに対する期待の意味も込めて出資をさせてもらいました。
――まさに“新しい形”の資金調達ですが、マーケティングをご専門にしている野仲さんの目で見て、この応援ファンドをより多くの皆さんに知っていただくには、どのような形が考えられるでしょうか?
寄付ではなく、ファンドという金融商品ですから、リスクの説明を含めたマーケティング上の制約もあるかと思います。それをきちんと把握した上で、特に個人に対してはSNSを活用した“人づて”の告知をどのように展開していくかが重要ではないでしょうか。
その中でもコアとなるのは、まずはサッカーやスポーツをしている子を持つ親ですね。さらに、「熊本」にできる施設ですから、熊本を愛する県民はもちろん、私のような県外に住んでいる県出身者や熊本にゆかりのある“熊本LOVE”な方々に向けていかにアプローチしていくかだと思います。
――野仲さんは、中学、高校、大学とご自身もサッカーをプレーし、仕事でもこれまで多くのサッカーイベントなどに関わってこられました。サッカーというスポーツに対しては、どのような想いをお持ちですか?
高校のころは体育教師になりたくて、筑波大学に進学しました。大学でもサッカーを続けていましたが、所属していた関東大学リーグを管轄する関東大学サッカー連盟の仕事をする中で広告代理店の存在を知り、「スポーツビジネスに関わりたい」との思いから電通に入社しました。
97年に社内にサッカー事業局ができたのを機に異動し、それ以来ずっとサッカーやスポーツに関わり続けて、現在は女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の専務理事に就いています。その前には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の仕事もしていましたが、そこで築いた数多くの方々との人脈・繋がりは、今後の私の人生にとってもかけがえのないものになると感じています。
その意味で、私自身はこれからもサッカー、スポーツに何等かの形で関わっていきたいと思っています。
――来年8月の開設に向けて準備が進む「熊本県フットボールセンター」に期待することは?
センター建設の話を(株)熊本フットボールセンター代表の松下さんから聞いたときから、私が勝手に妄想しているのは、センターをキーステーションとして、サッカーだけでなく、その他のスポーツや地域住民の憩いの場など、さまざまな可能性が広がっていくことですね。
これまでのフットボールセンターやスポーツ施設の概念を取り払って、コンサートをやる、映画上映会をやるなど、「あれができるんじゃない」「これをやってみたら」ができる場所にしていってほしいと思います。それが、「あそこは楽しい」「行ってみよう」と、住民の皆さんが日々の生活の中で何気なく立ち寄る施設につながるのではないでしょうか。
――実際に施設の運営を担う(株)熊本フットボールセンターに対して、何か要望や期待はありますか?
フットボールセンターですから、もちろんサッカーファミリーの練習、試合会場としての運営が第一義だと思いますが、先ほども述べた「サッカー以外」の活用にも目を向けて、ぜひさまざまなアイデアを実践してほしいと思います。また、将来的には地域の災害拠点としての役割も担っていけるのではないかと期待しています。そうしたスポーツ以外の生活に密着した目線での活用・運用も大切にしてほしいですね。
――最後に、「熊本フットボールセンター応援ファンド」や、これから出資を検討される方々に向けて、何かメッセージをお願いいたします。
形式としては、リターンを得られる可能性のある「ファンド」となっていますが、私自身は全くそのようには捉えていません。そこにあるのは地元愛、サッカー・スポーツ愛をベースにした寄付だと思っています。それによって未来の子どもたちや地域の方々に役立つ施設の建設に少なからず貢献できたということに喜びを感じていますし、そのお金が有効に活用されることを切に願っています。もちろん、投資ですので仮にリターンが得られるのであれば、それはそれでラッキーという程度で考えています。
また、こうした社会貢献的な投資というのは、今の若い世代にとって自己表現の一つになっているので、そうした人たちにも積極的にアプローチして、出資につながっていけばいいなと思います。そのためにも、このファンドの情報に触れられるタッチポイント(接点)が、もっともっと増えていってほしいですね。
インタビューを終えて
熊本県ご出身で長年スポーツマーケティングに関わってこられた野仲さん。
地元に貢献したい思いや、サッカー・スポーツ愛によってご出資いただきました。
リターンの可能性があるファンドを活用した資金調達にも関心を寄せていただき、今回の「ありそうでなかった」形への大きな期待がひしひしと伝わってきました。今回のファンドは、投資家にとってリスクを少しでも軽減した設計となり、事業計画売上や集客見込みを考慮した設計となっています。センターの利用についても、保育園事業・グラウンド事業ともに現在の周辺施設の利用状況を鑑みても集客見込みがあり、安定した事業運営が予想されます。
事業開始後は、出資者のみなさんへの事業報告がブログで閲覧でき、交流の機会などもあります。
『センターをともに育て、ワクワクもともにする仲間』としてのファンドにぜひご期待ください。野仲さん、ご出資いただき、またインタビューへもご協力いただき誠にありがとうございました!
→「事業計画での分配シミュレーション:A号(主に個人様向け)」はこちら
お話しいただいた「サッカー以外の活用」についても「フットボールセンター建設による地域への効果」で詳細を掲載していますので、こちらもぜひご覧ください。
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熊本フットボールセンター応援ファンドA号(主に個人様向け)
熊本フットボールセンター応援ファンドB号(主に法人様向け)