西条市版SIB 出資者の声 「私も出資しました!」
取材先:西条市版SIB出資者 桑村寛さん
西条市では、まちを元気にする挑戦を地域の皆さんからの”出資”により応援するあたらしい仕組み「西条市版SIB」(ソーシャル・インパクト・ボンド)を実施しています。
今年度は西条の魅力ある特産品の開発のため、西条市今在家にあるカフェ「くらしとごはんリクル」が「丹原産はちみつ入り季節の果物ジャム開発プロジェクト」に取り組んでいます。
今回は、西条市のプロジェクト担当者安永さんが、出資してくださった市内にお住まいの桑村寛さんに、その応援の想いを伺ってこられましたのでご紹介します。
昨年度も出資
– 桑村さんは昨年度のSIBでも出資してくれました。出資してみて、どのように感じられましたか?
桑村:去年から、西条市でSIBという取組が始まったんよね。内容を見てみたら、今までもよう知っとるお店だったけど、「実はそんな想いを持って取組をしようとしとったんか!」と、このSIBをきっかけにして知ったんよ。
普通にお店に行くだけだったら、知らんかったわ。地域を盛り上げよう、地場産品の振興をしようとしよる人は、ぜひ応援したい!
それと実際出資してみると、すごく自分自身関心が高まった。
「商品はどうだろうか?」、「どこに売りよるんだろうか?」と思って、自分で買いに行ったし、その後の動きも気になる。
そういう気持ちも、出資したけん生まれたなぁ。
桑村さんの地域への想いはどこから?
– 応援する気持ちを持たれたきっかけはありますか?桑村さんご自身の活動も教えてください。
桑村:うーん、きっかけは、PTA活動と消防団活動かなぁ。
自分の子どもが巣立った後も、それで終わりではなくて、継続しとるね。
みんなが少しずつ出来ることをやっていけば、一人一人の負担は大きくはないし、地域は盛り上がるし、良いことばっかりだと思うんよ。これに限らずね。
それから、青色防犯パトロール(※警察から認定を受けた自主防犯活動)の活動をやり出して、もう10年以上になる。ボランティアで週一回、夜10時から、西条西警察署管内をコンビニやファミレスなんかを周って、青少年がおったら声掛けをしたりね。
別に誰かに頼まれた訳ではないんよ。
これは自分らためのことやけん、防犯も出来る範囲でせないかんと思って。
自分が出来ることはやっていく。
警察に任せとけばいい、とかそういう時代は古いと思ってね。
一歩を踏み出して、まずやってみると、仲間が増えるっていうことにも気が付いた。第一歩が大事なんだなと思ったね。
SIBで期待すること
桑村:この年まで生きとったら、地域に何かしら返したい、残したいなと思うようになるんよ。(60歳代の桑村さん)
そう思っとる人は珍しくないよ。僕の周りにもたくさん居るよ。
ただ、それを行動に移せんかったり、どうしたら良いんか分からんかったりするんだろうね。
潜在的には、何かやりたい人、応援したい人はたくさん居るんよ。本当に。
その第一歩を踏み出す、背中を押すものよね。SIBは。
地域のことは行政がやることとか、行政任せにするとかじゃなくて、我々市民一人一人がボトムアップしていって、みんなで盛り上げないかんと、常々思っとる。
それで、周りの若い人にも、何かしらやってみんか?とよく声掛けしよるんよ。
内容は何でもいい。SIBをきっかけに、色んなものが生まれていくんじゃないかなと思うよ。
SIB事業者 くらしとごはんリクルさんへ
桑村:(出資説明会に参加して)リクルの櫻井さんは一生懸命で、真面目な姿勢が伝わってくる。
櫻井さんみたいに、ここに移住して来てくれた人を温かく迎え入れるのは当然のことと思うし、地域を盛り上げようとしてくれよるのは本当に有り難い。
その人を応援するのは、われわれ元々居た市民の務めだとも思うんよ。
もしも失敗しても、かまん!(=大丈夫)
出汁にこだわっとるのもいいね。他の可能性もどんどん伸ばしていって欲しいね。応援していくよ!
最後に、桑村さんにメッセージをお願いしました
桑村:「みんなで応援 これが第一歩!」
インタビューを終えて
自らも地域を良くする活動をしている経験を通じ、一歩踏み出すことの大切さに気付き、そこから自然と、周りの人をも応援したいと思うようになったという桑村さん。
”挑戦”から”応援”につながっているということを教えていただきました。
また、桑村さんから、以前からその事業者の存在は知っていたものの、このSIBをきっかけに改めて取組の詳細やそこにある想いを知り、出資を通じて、取組がより自分にとって身近なものだと考えるようになったということをお聞き出来ました。
”まず知ることができ、そして参画する方法がある”ということの重要性を改めて感じました。
そして、地域を盛り上げようと頑張る人を応援したい!と思っている方はたくさんいらっしゃる、ということも、大変励みになりました。応援してくれる方がいるからこそ、取組に継続性や広がりが生まれ、また新たな挑戦にもつながると考えています。
世代や立場を超えた応援の輪が広がっていくよう、今後このSIBも工夫しながら実施を進めたいと思います。
西条市SIB 丹原産はちみつ入り季節の果物ジャム開発プロジェクト
西条市にあるカフェ「くらしとごはんリクル」が、希少な丹原産はちみつと、西条でとれる四季折々の果物を使用したジャムを開発し、販売します。
規格外の果物を活用し、ジャムを通して西条市のPR、販売先に困る農家への貢献、地域での雇用創出を目指していきます。
「西条市SIB 丹原産はちみつ入り季節の果物ジャム開発プロジェクト」プロジェクト概要
丹原産「みっちゃんのはちみつ」生産者 養蜂家 越智さん 特別インタビュー